2024年2月27日火曜日

能登半島地震 / 輪島わくわくおもちゃの図書館からの報告

 輪島市子育て支援センターの平野弘美様から現地のレポートが届きました。

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 1月1日16:10に地震が発生してから、もう2ヶ月経とうとしています。

 
 地震発生時、私はお正月で帰省し家族と一緒に実家にいて、孤立状態になりました。
ドン!と突き上げるような衝撃の後、立っていることもできない回されるような大きな揺れが長く続き、山の木々や土砂が音を立てて崩れ倒れて、携帯も通じず、電気も付かず、孤立状態になってしまいました。幸い家族は誰もケガをすることもなくほっとしましたが、今、何が起こっていて、どんな状況なのか、みんなは無事なのか何一つ分らず、心配と不安しかない真っ暗な夜を車の中で過ごしました。

 

 2日の夕方に山の中を歩き、やっとの思いでセンターにたどり着いたのですが、避難者であふれかえったセンターに何をしていいか正直わからず、ただただ必死で避難対応をしてきました。

 
 地震発生から一ヶ月半が過ぎ・・・当初700名程いた避難者もぐっと減り120名程になりましたが、今も指定避難所として運営をし、まだまだ通常の形に戻るのは難しそうですが、それでも3月から開館できるように準備が始まりました。避難所の中での開館となるのでいろいろと試行錯誤していますが、子どもたちの居場所づくりを目指し、「センターが開くようになったら輪島に帰りたい」「もどってきます」といってくれているママ達の嬉しい言葉を励みに職員、力を合わせて頑張りたいと思います。

 全国からのいろいろな支援・温かい言葉に本当に助けられ力をもらっています。本当に感謝です。


震災後の街の様子

輪島市児童センター・子育て児童センター


出張ほっとサロン

2024年2月13日火曜日

 

能登半島地震/七尾市おもちゃ図書館こあらとその活動主体であるNPO法人ぽっかぽかから報告



「七尾市おもちゃ図書館こあら」の瀧さんから、被災地現地リポートの三通目が届きました。2月10日におもちゃ図書館が再開したとのうれしいお知らせです。まだ大変なことが山積しているようですが、一歩一歩前に進んでいけると良いですね。


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全国おもちゃ図書館の皆様こんにちは。七尾市おもちゃ図書館「こあら」のNPO法人ぽっかぽか瀧です。
 能登半島地震から1ヶ月半になろうとしています。七尾市ではまだ5割ほどの世帯では断水が続いて毎日の生活に大変な思いをしている方もまだまだいますが、学校や保育園では給食も始まり(地区によっては給水車を利用して)少しずつですが復帰してきています。
 1月23日より親子ふれあいランドも通常に開館を始め、2月10日は予定どおり(通常第2第4土曜日11時~16時)おもちゃ図書館を震災後初めて再開しました。これまでより来館者は少なかったですが、来館した親子からは「新しいおもちゃもある。楽しみに待っていた」との声も聞かれ1時間ほどたっぷり遊んで、好きなおもちゃを持って帰りました。(無料の貸し出しをしています。)
 また、当日は子ども食堂も予定どおり(毎月第2土曜日実施)再開しました。
 こちらの方は断水している家庭もあり、あたたかい野菜たっぷりのシチューに大人も子どもも52人の方がほっこりした笑顔で「おいしいおいしい」と食べていただきました。

同時に館内の矢田郷地区コミュニティセンターに避難してきている被災者の方にも130食提供しました。ボランティア会員で被災している方もいるのですが、当日は13名の方が協力してくださいました。会員の皆様も家で何もせず心配ばかりしているより気が晴れて元気になったと言ってくださり、やって良かったと思いました。皆で出来ることを少しずつやっていきたいと思っています。
 今後ともよろしくお願いします。
          NPO法人ぽっかぽか 瀧惠美子



2024年2月6日火曜日

 

能登半島地震 / 輪島わくわくおもちゃの図書館からの報告



2月6日、能登半島地震で大きな被害を受けた輪島わくわくおもちゃの図書館の尾坂さんから、現地の様子を知らせる報告が届きました。ご自宅も被害を受ける中、様々な活動を始められているようです。以下、尾坂さんの報告です。

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能登半島地震の真っただ中で

2024.2.5 
輪島わくわくおもちゃの図書館
代表 尾坂 里美


1月1日 
突然の揺れ、ガチャガッチャンミシミシと器が割れ、柱がきしみ、家が悲鳴を上げている。
長い長い恐怖の時間。テーブルの下で早く収まって!と祈るばかり。
外に飛び出し、倒壊した家々の間を通り抜けて隣の県土木事務所五階に避難したのだがーどのように行ったのか覚えていない。
いつものカバンと上着と靴。時々避難訓練していた場所へ。
「非常時には“普段“が出る」というが、その通り。
幸い、電気が点いて、携帯電話が通じる!(17年前の地震はそれが無かった)
家族もおもちゃ図書館のみんなも元気。安堵する。
気が付くと朝市方面から火の手が!どんどん広がり移っていく。風向き次第ではこちらも危ない。ガスボンベが爆発して花火の様に大きな音が響く。みんなで赤いシルエットを見ながら無力感と行き場のない怒りを抱え一夜を過ごす。友人のお寺が焼けた。2月には“犬の子まき(涅槃会)”をするはずだったがーお手伝いも出来なくなった。
避難所には近所の4町内が集まっていた。みんなで寝具やテレビ、清潔用品等持ち寄り助けあう。翌日からおむすび、カップ麺、水などの食品が届き命を繋ぐ。一番美味しかったのは、持ち寄った電気釜とお米と梅干、明太子、おかかで作ったおむすび。温かさやご飯の匂いにほっとする。
2週間目には自衛隊のお風呂、全国から届いた支援物資の衣類など生活回りが少しづつ整う。
全国おもちゃ図書館から「皆さんが元気になる様に!」と応援の声やトマト、みかん、沢山のパン、文房具、おもちゃが早々に届く。有難い。みんなに配る。元気が出た! 
お隣さんが笑顔で言った「昨日よりは今日、幸せが増えていく」と。

今、輪島には子ども達の姿が少ない。
すべての学校が避難所。中学生は全校避難。小学生たちもいつの間にか親戚知人を頼って避難する子が続出。中には仕事を求めて都会に移住する家庭も少なくない。
おもちゃ図書館の仲間たちも3家族が金沢方面へ避難。障がいをもった子ども達が生きずらいのは被災時も同じ。慣れない環境・小規模校から大規模校への不安。地震への恐怖から帰りたがらない子ども。それでも、不安を言葉に整理して“おしゃべり”できるLINE仲間がいることは幸いです。
輪島に居る子ども達はどんなに不安だろう…そんな子ども達のために複数のNPO団体が輪島高校音楽室で「子ども達の居場所~みんなのこども部屋」を企画してくださる。
23日、みらい子育てネット輪島が「出前ほっとサロン」を実施。子ども以上にスタッフの大人達が抱き合い、しゃべり場となった。当おもちゃ図書館も事前にニーズを拾い、出前でおもちゃを持参。お絵描きセット、自動車やレゴ、カードゲーム等親子が楽しむ。帰りには画用紙に可愛い虹の絵が描いてあり、嬉しかった。
昨日はおも図書仲間のOさんが簡単工作セットを用意してくださり一緒に参加、作って遊んで喜ばれた。今週は2回目の「ホットサロン」。頂いたパンを届ける予定。


あの恐怖の元旦から1か月。輪島の町は壊れたまま。
箱庭のように海も山も歴史や文化もコンパクトに詰まった美しい町はどうなっていくのだろう…課題は山積みだけど少しずつ動き始めます。
2月6日から小学校が授業再開し、町中の6校は輪島高校に登校です。
送迎無し、給食無し、児童クラブ無しの再開は働く親にとってまだまだですが、取りあえずの一歩。
昨日より今日、子ども達の笑顔が少しでも増えていきますように!


ご自宅の玄関前の様子。ご近所10軒のうち、倒壊を免れたのは3軒とのこと。

輪島朝市通りの火災、手前の建物が、おもちゃ図書館の入っている輪島市ふれあい健康センター。
風向きの関係で、延焼を免れたとのこと。



  能登半島地震 / 輪島への訪問報告   3月12日(火)、能登半島地震の被災地である輪島市を訪問しました。  被災した子どもたちの居場所づくりや市民のコミュニティの再生のため、どんなことができるのかを相談しに伺ったものです。  この日打ち合わせに参加していただいたのは、輪島...